ここ2ヶ月の間のFUGO(Ver.2018.6.8.0~Ver.2018.7.23.0)、およびFUGO.rewrite(Ver.1.5.0.2~ Ver.1.6.0.1)の更新情報をまとめてお知らせします。
自動アップデート(「動作安定版のみ配信」)を有効にされているユーザーの方には、本日(2018/7/31)よりVer.2018.7.23.0が配信されます。
今回のアップデートでは、6つの機能追加、2つの機能改良、5つの不具合修正を行っております。
FUGOのバージョンアップ内容
新たな機能の追加
プラグイン『【符号の説明】における符号』の機能を改良
以下の3パターンを色付きで警告するようにしました
- 赤色表示:【符号の説明】内に同じ符号の説明が2つ以上ある場合
- 赤色表示:明細書本文(実施形態)に符号が存在しない場合
- 青色表示:【符号の説明】と明細書本文(実施形態)とで符号の名称が異なる場合
符号表タブ内にプラグイン『【符号の説明】における符号』を1クリックで呼び出せるボタンを追加
設定ファイルの保存場所を変更可能に
通常、
C:\Users\<ユーザー名>\AppData\Roaming\ClockAhead\FUGO\2.0.0.0
というフォルダに設定ファイル類が保存されます。
- 上記フォルダに設定ファイル類が保存できないケースに対応できるように、この保存場所を任意の場所に設定できるようにしました。
- FUGOを起動する際、第1引数に任意の保存場所(フォルダ)を指定することで、変更が可能です。
◆ 変更方法(FUGOをショートカットから呼び出す場合)
- FUGOのショートカットを左クリックし、メニューの『プロパティ(R)』をクリック
- リンク先(T)を選択
- 既に入力されている文字(FUGOの実行ファイルのパス)の後ろに、
半角スペースを入力し、
さらに任意の保存場所を入力
入力例:"C:\Program Files (x86)\FUGO\FUGO.exe" "C:\FUGO Config" - 『OK』をクリック
- ショートカットからFUGOを起動
◆ 正常に設定できたかを確認する方法
FUGO起動後、
画面上部の「ツール」→「設定ファイルを含むフォルダを開く」をクリックし、
指定した保存場所が開くことを確認してください。
注意事項
- フォルダのパスに空白を含む場合、ダブルクオーテーション "" で囲んで下さい。
- 存在するフォルダを指定してください。
- 存在しないフォルダを指定した場合、エラーが表示されます。
- FUGO起動前に保存場所とするフォルダを作成してください。
- FUGO.rewriteからFUGOを呼び出す場合には、この機能は未対応です。
プラグイン『特許請求の範囲と解決手段との比較(一致率のチェック)』
このプラグインでは、クレームの文言と、【解決手段】に含まれる各段落の記載と、の一致率をチェックします。
自動判定により以下の2種類の警告が表示されます。
クレームの要件外の文字が多く含まれています。 (青色)
- 段落内に、クレームの文言以外が多く記載されている場合、に表示されます。
- クレームの文言と、段落の記載が完全に一致していない可能性があります。
- ※ 1段落に、クレームの記載と、当該クレームの作用効果をまとめて記載している場合、この警告が表示されやすくなります。
対応する段落が見つかりませんでした。 (赤色)
- クレームの文言と一致するような段落が見つからない場合に表示されます。
※ クレームの記載が短い場合、誤って判定される可能性が高くなります。
リストの各行を左クリックすると、
請求項の記載と対応する段落の記載とをFUGOの画面左側にまとめて表示します。
FUGO.rewriteが利用可能な場合(FUGO Premium版をご利用の場合)、
リストの各行を右クリックすると、
メニューから『請求項』または『対応する段落』を選択でき、選択するとWord上で即座に該当箇所を表示できます。 この機能は『プラグイン』メニューの『特許請求の範囲と解決手段との比較』から呼び出すことが可能です。
他に、『クレーム』タブの『解決手段との一致率』ボタンをクリックすることで呼び出せます。
詳細説明:
カバー率は、ピックアップされた段落(対応する段落)にクレームの文言がどれだけ含まれているかの指標です。
一致率は、ピックアップされた段落と、クレームの文言とがどれだけ一致しているかの指標です。段落中にクレーム外の記載が多いと(例えば、作用効果の記載されている場合)、値が小さくなります。
主語のない文を自動検出する機能
格助詞が含まれていない文を自動検出します。
翻訳にかけた際、誤訳される可能性のある文章を自動的にピックアップします。
『誤字・脱字』タブの『誤記など』のグループに『主語がないかもしれない文』としてリストアップされます。
※ 『日本語として意味が通らない(主格がない)文章』を検出する機能ではありません。
※ 主語が含まれていなくとも、慣例的に翻訳可能な文章(例:本発明にかかる実施例について説明する。)も検出されます。
段落番号がない明細書の場合、自動付与するように
日本語明細書において、段落番号が付与されていない場合、
FUGOでのチェック時にFUGO内部では段落番号を自動付与した上でチェックを行うようにしました。
※ 段落単位でチェック箇所が表示されるため、チェック結果を確認しやすくなりました。
※ FUGO内部のみ段落番号が付与されます。元の文章(Wordファイル)は変更されません。
既存機能の改良
プラグイン『【符号の説明】における符号』の『【符号の説明】を表示』ボタンの機能を改良
- FUGO.rewrite (FUGO Premium版)を起動している場合、ボタンをクリックした際、Word画面上でも【符号の説明】箇所を表示するようにしました。
- Word上での修正を手軽に行えるようにしました。
クレームの前記チェックをOFFにする設定を削除
- 前記チェック処理が重かったときの名残で残していましたが、現在は処理速度を改良しておりオフにする必要がなくなっているため削除しました。
- なお、クレーム数が多い(目安:100以上)ある場合など処理時間がかかる場合には、数分経過したタイミングで、前記チェックをキャンセルできる(キャンセルするかを問い合わせるダイアログが表示される)仕様に改めています。
- ※旧バージョンで当該設定を有効にすると、クレームのチェック全てがOFFになる不具合があります。
不具合の修正
FUGO IDが予期せず変更される不具合の修正
以下の状況でFUGO IDが意図せず変わってしまう(それに伴い、ライセンスが失効する)問題を解決しました。
- Kaspersky Security Data Escort Adapterがインストールされている場合
- Kaspersky セキュアコネクションがインストールされている場合でもFUGO IDが予期せず変わらないようになりました。
- iPhoneとUSB接続(テザリング接続)した場合
- iPhoneをPCにつなげたままでもFUGO IDが変わらないようになりました。
- OpenVPN(VPN接続のためのソフトウェア)の仮想ネットワークアダプタ (TAP-Windows Adapter V9) がインストールされた場合
- SONY製デジタルペーパー DPT-CP1/RP1をUSB接続した場合
プラグイン『【符号の説明】における符号表』のリストに空欄が表示される不具合を修正
【符号の説明】内に段落番号が含まれている場合に、リストに空欄が表示される不具合を修正しました。
段落番号のチェックで、数式、化学式、表のみを含む段落を記載漏れとみなしてしまう問題の修正
段落番号のチェック機能では、段落内の記載が空である(何もない)場合に、当該段落をアラートするようにしていました。
この機能には、今まで、次の問題がありました。
数式、化学式、表(【数*】【化*】【表*】とそれに対応する画像)のみを含む段落を、空であるとアラートしてしまう。
この問題を解決するため、今バージョン(Ver.2018.7.23.0)から
【数*】【化*】【表*】及びそれに対応する画像のみを含む段落は、空とはみなさない(アラートを表示しない)ようにしています。
※ ただし、副作用として、【数*】【化*】【表*】のみを含んでいる(それに対応する画像を含まない)段落も、空とはみなさなくなっています。
特定の英語明細書を読み込んだ際、エラーが発生する不具合の修正
英語の特許明細書で、クレーム部分に『請求項』という文言が含まれている場合に
"'4' の InvalidArgument=Value は 'index' に対して有効ではありません。"
というエラーが表示されFUGOが強制終了する不具合を修正しました。
特定の文章を読み込んだ際、エラーが発生する不具合への暫定対処
特定の文章を読み込んだ際、以下のエラーが表示されFUGOが強制終了する不具合への対策を内部的に施しました。
チェック中に予期しないエラーが発生しました
もし同様のエラーが引き続き表示される場合、詳しいエラー原因を調査するため、サンプルデータをご提供頂けますと幸いです。
FUGO.rewriteのバージョンアップ内容
機能の改善
最新版FUGOへの対応
Wordのアドインタブに追加される『FUGOでチェック』ボタンからFUGO Ver.2018.6.21.0 以降を呼び出すとエラーが発生する不具合を修正しました。
Wordを別のアプリケーション経由で複数起動した場合への対応
旧バージョンでは、次の問題がありました。
すでにWordを立ち上げた状態で、さらに、他のアプリケーションなどを経由して*1Wordを起動した場合に、「過去のrewrite(SYUSEI)がインストールされていないか確認して下さい」とのエラーメッセージが表示され、以後、FUGO.rewriteの機能が正常に動作しなくなっていました。
※ 複数のWordのウィンドウを立ち上げる場合でも、すでに起動しているWordの「ファイルを開く」コマンドや、WindowsエクスプローラーからWordファイルをダブルクリックで開く場合にはこの問題は発生しません。
この問題を回避するため、今バージョン(Ver.1.6.0.1)から以下のようにFUGO.rewriteの仕様を変更しました。
すでにWordを立ち上げている場合で、他のアプリケーションなどを経由して立ち上げたWord上ではFUGO.rewriteを内部的には起動しないようにしました。(グレーアウトされ、、「FUGOでチェック」ボタンがクリックできなくなります)
ダウンロード
「設定」→「アップデート」で「●常に最新版の情報を配信」を選択している場合、自動的に配信されます。
手動でアップデートする場合、下記FUGO ダウンロードページよりお願い致します。
FUGO.rewriteは、下記よりダウンロードをお願い致します。
その他
一部の環境でFUGOの画面表示がおかしくなる不具合の対処法
一部の環境でFUGOの画面表示がおかしくなる(画面が部分部分で文字サイズが大きかったり小さかったりとまちまちになる)問題の対処法を公開しています。 詳細は以下リンクをご参照ください。
*1:Outlookなどのアプリケーションや、VBA,VBSrcriptなどのスクリプト言語などを利用して