(本記事は作成途中となります)
FUGO Ver.2019.5.21.58 を公開いたしました。合わせて、FUGO Premium版のオプション機能 FUGO.rewrite, FUGO.seisyoについてもアップデートを行っております。
今回のアップデートでは、主として、FUGO.rewriteをはじめ特許明細書の作成を補助する(作成時間を短縮するための)機能を新たに多数追加したほか、既存機能も強化しております。
FUGO バージョンアップ内容
新たな機能
【符号の説明】の作成機能
Premium版のみ有効
FUGOが生成した符号表をもとに、特許明細書の【符号の説明】を作成する機能を追加いたしました。符号の説明を手作業で作成する場合に比べ、作成時間を短縮することができます。
利用方法:
この機能は、「ワークフローガイド」から呼び出すことができます。
呼び出すと、符号の一覧が表示されます。一覧の中で【符号の説明】欄に記載したい符号にチェックを入れてください。
また、実施形態とクレームとで異なる文言を用いている場合(例えば、実施形態においては、クレームの要件の下位概念のみを記載している場合)には、当該符号の左側(「クレームにおける文言(オプション)」の欄)に、クレームにおいて対応する文言を記載して下さい。
必要な符号にひととおりチェックを入れた後、『【符号の説明】の作成』ボタンをクリックしてください。
クリップボードに、【符号の説明】にそのまま貼り付けられる形式で選択された符号の一覧がコピーされます。
この機能のポイント: クレームに含まれる「符号の名称」があれば、対応する符号に自動的にチェックが入ります。
記載形式(チェックをした符号と符号の名称をどのように並べて記載するか)は、「設定」→「符号表」→画面右下「出力形式」で変更することが可能です。
符号の一括置換機能
Premium版のみ有効
特許明細書中の符号を別の符号に置換する機能を追加しました。1回の操作で複数の符号を異なる符号に変更できます。
利用方法:
この機能は、「ワークフローガイド」から呼び出すことができます。
この機能のポイント: 複数の置換を行う場合、通常、手作業で行う場合には、部分一致するワードが存在する場合には置換の順序を気にする必要がありますが、本機能では、置換する際の順序を気にする必要がありません。
例えば、もとの「部材1」を「部材11」に、もとの「部材1A」を「部材A」に置換する場合、手作業で置換を行う際に、「部材1」を先に置換してしまうと「部材1A」が「部材11A」となってしまうため、「部材1A」を先に置換する必要があります。
また、符号を入れ替えたい場合(例えば、もとの「部材1」を「部材2」に、もとの「部材2」を「部材1」に置換したい場合)、手作業で行うのは厄介ですが、本機能では、符号の入れ替えも可能です。
利用例: 過去に作成した特許明細書を援用して新たに特許明細書を作成する場合に、援用した特許明細書内の符号の採番規則と、新たに作成中の特許明細書の採番規則との整合性をとりたい場合。
クレームのNGワードチェック、誤記、表記のゆらぎチェックで、各チェック項目ごとに任意のコメントを表示可能に
ユーザーの方が、各種チェック用の辞書に登録した単語について、FUGOで検出された際(該当する単語が明細書中に存在し、リストに表示された際)、画面上に任意のコメントを合わせて表示できるようになりました。
具体的には、「クレームにおけるNGワード」や、「誤記とみなす単語」「表記のゆらぎとみなす表現」などを辞書に登録する際、間違いとみなす理由や代替となる書き方(アドバイス)などのコメントを合わせて登録できるようになりました。登録されたコメントは、FUGOのリスト上で当該単語を選択時に、画面左側の上部に表示されます。
利用方法:
FUGOの画面上部「ツール」→「設定」の各種項目から辞書を編集できます。クレームにおけるNGワードや、誤記、表記のゆらぎの各種辞書においてコメントを登録できます。
從來どおり、1行につき1単語を記載していただけます。単語に続いて、「#」ではじまる特殊記号(後述)を記載し、その後ろに自由にコメントを記載いただけます。
コメント付きの単語の登録例:
危険 #x PL法の絡みで裁判などで問題になり得るため使わない(特にA社出願の場合) など #「など」は意味するところが不明瞭なため利用不可。具体例を列挙すること
コメント付きの単語の登録方法
辞書ファイルに単語登録の際、単語の後に、 #, #c, #!, #x のあとコメントを入力してください。辞書に登録されたコメントは、FUGOの画面左側(上部)に表示されます。
なお、#, #c, #!, #x はそれぞれ、以下のマーク付きで画面に表示されます。
特殊記号 | 使い分け例 |
---|---|
#だけの場合 | ※参考情報を示します。 |
#c の場合 | ※修正が必要な可能性がある事項を示します。実際に修正が必要かはケースバイケースのため、内容の確認を推奨いたします。 |
#! の場合 | ※高い確率で、修正が必要な事項を示します。 |
#x の場合 | ※確実に、修正が必要な事項を示します。 |
この機能のポイント、利用例:
この機能を用いることで、FUGOのチェック結果に辞書に登録された単語とともにその理由や修正の方針を表示できます。明細書作成における細かなローカルルールや、クライアントごとに異なるルールなどを辞書に混在した状態であっても、コメントを参照することで修正の要否をすばやく判断できます。
本機能とともに、チーム間で共通の辞書ファイルを用いるように設定することで、明細書の起案に関するノウハウを効率的にチーム間で伝達できます。
チェック記録の生成機能 (β)
Premium版のみ有効
本機能はβ版 (試験実装版)となります。今後、予告なく仕様が変更される可能性があります。将来的にEnterprise版専用オプションとなる予定です。
WordファイルをFUGOでチェックしたことを示すファイル(便宜上、「チェック記録」と呼称)を生成する機能を実装しました。
利用方法:
この機能は、「ワークフローガイド」から呼び出すことができます。事前に、FUGO.rewriteからチェックを実行している必要があります。
実行すると、Wordファイルと同じ場所(フォルダ)に、チェック記録が生成されます。
別途、簡単なマクロやプログラムをご用意いただくことで、Wordファイルとチェック記録との整合性(そのWordファイルがFUGOでチェックされたか)を検証できます。
チェック記録の仕様 (β)
本仕様はβ版 (試験実装版)となります。今後、予告なく仕様が変更される可能性があります。本機能の運用をお考えの場合、1度お問い合わせください。
チェック記録(具体的には、.checked というファイル)には、FUGOでのチェック実行時の各種情報がJSON形式で記録されます。
キー | 値 |
---|---|
pc_name | チェックを実行したPC名 |
path | チェックを実行した時点でのWordファイルの絶対パス |
hash | チェックを実行した時点でのWordファイルのSHA512アルゴリズムを用いて計算したハッシュ値 |
timestamp | チェックを実行した時刻 |
.checkedファイルに記録された情報とWordファイルとの整合性(実際に当該WordファイルがFUGOでチェックされたか)を、別途、簡単なマクロやプログラムをご用意いただくことで検証できます。具体的には、Wordファイルのハッシュ値(SHA512利用)を計算し、.checkedファイルのhashの値と、一致するかを確認してください。
この機能のポイント:
チェック記録には、「Wordファイルに対してFUGOのチェックをかけたこと」が記録されます。Wordファイルとそのチェック記録とを照合することで、当該WordファイルをFUGOでチェック済みであることを担保できます。
これにより、次のようなケースを防ぐことができます。
- 例えば、出願直前に原稿に修正が入ったような場合。1度FUGOでチェックしたが、その後、Wordファイルに変更が加えられており、FUGOでの再チェックがされていないケース (Wordファイルの中身が書き換えられるとハッシュ値が一致しない場合)
- 例えば、FUGOの利用が浸透していない場合。FUGOでまったくチェックされていないケース (チェック記録がない場合)
※ただし、現在の仕様上、実際にチェック結果を目視で確認したかまでは分かりません。少なくとも、そのWordファイルに対してFUGOを実行したことは担保されます。
運用例:
(手動で行う場合) 明細書の起案者には、チェック記録ファイルと明細書を提出することを義務付けることで、例えば、事務担当者が出願手続きをする前に、事務側で『出願するWordファイルの原稿がFUGOでチェック済みか』を確認できるようになります。
(自動化する場合) チェック機能をシステムに組み込むことで、次の作業(例えば、原稿作成→出願手続き)に移る前に、自動的にFUGOでチェックされたことを担保できます。例えば、特定の共有フォルダに原稿とチェック記録を保存すると、FUGOでチェック済みであることを確認できた場合には、事務側に出願書類の準備ができた旨を通知し、確認できなかった場合には、チェックがされていない旨を起案者に通知するなど。
改善
段落番号、請求項番号に加えて、【数】【化】【表】の番号のチェックを行えるように
特許明細書中の【数】【化】【表】が先頭から出現順に連番になっているかをチェックできるようになりました。
日本語の段落番号チェックにおいて、3~6桁の記載に対応
段落番号が先頭から順に連番になっているかチェックする際に、從來は、4桁の表記のみをチェック対象としていましたが、イレギュラーな段落番号の記載に対応しました。
誤記、表記のゆらぎの自動チェック結果の詳細なエラーメッセージを追加
プログラムが自動検知した誤記や表記のゆらぎに関して、「なぜエラーとして検知したか」「どういった修正が考えられるか」などのメッセージを表示するようにしました。チェックの際、修正の要・不要を判断するにあたり目安としてご利用いただけます。
カッコの対応関係のチェック結果を見やすく
括弧の記号ごとに、対応関係がとれていないものを1つの項目として表示するようにしました。
從來、各種括弧の対応関係をチェックした結果を1つの項目としてリストに表示していましたが、複数の括弧を1段落中に用いている場合、『どの括弧の対応関係がとれていないのか』が分かりづらいという問題に対する改善となります。
「★を符号の名称に一括置換」機能を強化
Premium版のみ有効
符号に対応する符号の名称の記載が見当たらない場合でも、類似する符号が存在する場合、符号の名称の候補を補完するようにいたしました。より詳しくは、例えば、「1」と「1a」のように数値部分が一致類する符号を「類似している」とみなします。
具体的には、例えば、明細書中に「ネジ1」、「★1」、「★1a」の記載があって、1aの符号の名称の記載がない場合、「★1a」の符号の名称は類似する「1」の符号の名称である「ネジ」であるみなします。
符号表の右クリックメニューを強化(辞書登録をより簡単に)
符号の検出精度を改善するための辞書「符号の名称とみなす単語の辞書」や「符号の名称とみなさない単語の辞書」に単語を登録する作業が、より手軽で簡単になりました。
利用方法:
符号表で各項目を選択した状態で、右クリックすると、メニューに辞書に当該単語を登録するコマンドが表示されます。
この機能のポイント:
辞書登録後、即座に再チェックが実行されるため、辞書登録による符号の検出結果の変化を確認できます。
ひらがなを含む符号の名称の検出精度改善
ひらがなを含む符号の名称の検出精度を改善しました。
不具合の修正
「★を符号の名称に一括置換」機能の不具合修正
ワークフローガイドから「★を符号の名称に一括置換」機能を呼び出した場合に、エラーが発生する不具合を修正しました。
また、「★を符号の名称に一括置換」機能を実行した後、FUGO.rewriteとFUGOとの連携がとれなくなる不具合を修正しました。
各種誤記の自動チェック機能の不具合修正
1段落中に複数のチェック対象の文がある場合、結果画面に同一の段落が重複して表示されていた不具合を修正しました。
要約書のチェック機能の不具合修正
要約書のチェック項目をクリックしてもFUGO左画面に該当箇所が表示されない不具合を修正しました。
仕様の変更
チェック結果を含む段落の一覧表示を廃止
從來、画面左側上部に表示していた、チェック結果を含む段落一覧の表示機能を廃止しました。チェック結果を含む段落の表示部をその分広くいたしました。
「ライセンスの解除」コマンドの表示仕様の改善
從來、「ライセンスの解除」コマンドの必要性がないFree版やCE版では、メニューから非表示としておりました。今回、Free版やCE版では、当該コマンドは無効とする(クリックできない)仕様に改めました。
FUGO.rewrite バージョンアップ内容
上位プラン(FUGO Premium版)向けに提供中のWordアドイン FUGO.rewriteにて、削除線、二重削除線が引かれた箇所を無視する機能を実装いたしました。また、上付き文字、下付き文字をFUGO上で判別可能といたしました。
新たな機能
上付き文字、下付き文字、削除線の判別機能
上付き文字や、下付き文字をFUGO上で判別できるようになりました。
また、削除線の引かれた箇所をコメントとみなす(チェック対象から除外する;記載されていないとみなす)機能を追加しています。
VBAマクロをチェック前後で実行する機能
FUGOの実行前後(より厳密には、FUGO.rewriteからFUGOを呼び出す前と、後)で、任意のWordマクロ(VBAコード)を実行できるようになりました。
FUGO.seisyo β バージョンアップ内容
既存機能の改良
設定画面の表示を調整
不具合の修正
解決手段のテンプレート文章内の全角空白が無視される不具合の修正
仕様の変更
設定ファイルの保存場所を変更 [!!重要]
設定ファイルの保存場所を変更いたしました。
本バージョンアップにより設定が初期化されます。お手数おかけいたしますが、設定の見直しをお願いいたします。
ダウンロード
下記FUGO ダウンロードページよりお願い致します。
FUGO.rewrite 、FUGO.seisyoは、自動的にアップデートされます。