FUGO News

特許明細書チェックソフト FUGO に関する最新情報をお届けいたします

【アップデート情報まとめ】2019年6・7月の更新情報

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2019年6月~7月のアップデート情報をまとめてお知らせします。

FUGO Ver. 2019.6.28.115 を公開いたしました。 FUGO Premium版のオプション機能 FUGO.rewrite, FUGO.seisyoについてもアップデートを行っております。

目次

FUGOのバージョンアップ内容

新たな機能

【符号の説明】の作成機能

Premium版のみ有効

FUGOが生成した符号表をもとに、特許明細書の【符号の説明】を作成する機能を追加いたしました。符号の説明を手作業で作成する場合に比べ、作成時間を短縮することができます。

利用方法:

この機能は、「ワークフローガイド」から呼び出すことができます。

呼び出すと、符号の一覧が表示されます。一覧の中で【符号の説明】欄に記載したい符号にチェックを入れてください。

また、実施形態とクレームとで異なる文言を用いている場合(例えば、実施形態においては、クレームの要件の下位概念のみを記載している場合)には、当該符号の左側(「クレームにおける文言(オプション)」の欄)に、クレームにおいて対応する文言を記載して下さい。

必要な符号にひととおりチェックを入れた後、『【符号の説明】の作成』ボタンをクリックしてください。

クリップボードに、【符号の説明】にそのまま貼り付けられる形式で選択された符号の一覧がコピーされます。

この機能のポイント: クレームに含まれる「符号の名称」があれば、対応する符号に自動的にチェックが入ります。

記載形式(チェックをした符号と符号の名称をどのように並べて記載するか)は、「設定」→「符号表」→画面右下「出力形式」で変更することが可能です。

符号の一括置換機能

Premium版のみ有効

特許明細書中の符号を別の符号に置換する機能を追加しました。1回の操作で複数の符号を異なる符号に変更できます。

利用方法:

この機能は、「ワークフローガイド」から呼び出すことができます。

この機能のポイント: 複数の置換を行う場合、通常、手作業で行う場合には、部分一致するワードが存在する場合には置換の順序を気にする必要がありますが、本機能では、置換する際の順序を気にする必要がありません。

例えば、もとの「部材1」を「部材11」に、もとの「部材1A」を「部材A」に置換する場合、手作業で置換を行う際に、「部材1」を先に置換してしまうと「部材1A」が「部材11A」となってしまうため、「部材1A」を先に置換する必要があります。

また、符号を入れ替えたい場合(例えば、もとの「部材1」を「部材2」に、もとの「部材2」を「部材1」に置換したい場合)、手作業で行うのは厄介ですが、本機能では、符号の入れ替えも可能です。

利用例: 過去に作成した特許明細書を援用して新たに特許明細書を作成する場合に、援用した特許明細書内の符号の採番規則と、新たに作成中の特許明細書の採番規則との整合性をとりたい場合。

クレームのNGワードチェック、誤記、表記のゆらぎチェックで、各チェック項目ごとに任意のコメントを表示可能に

ユーザーの方が、各種チェック用の辞書に登録した単語について、FUGOで検出された際(該当する単語が明細書中に存在し、リストに表示された際)、画面上に任意のコメントを合わせて表示できるようになりました。

具体的には、「クレームにおけるNGワード」や、「誤記とみなす単語」「表記のゆらぎとみなす表現」などを辞書に登録する際、間違いとみなす理由や代替となる書き方(アドバイス)などのコメントを合わせて登録できるようになりました。登録されたコメントは、FUGOのリスト上で当該単語を選択時に、画面左側の上部に表示されます。

利用方法:

FUGOの画面上部「ツール」→「設定」の各種項目から辞書を編集できます。クレームにおけるNGワードや、誤記、表記のゆらぎの各種辞書においてコメントを登録できます。

從來どおり、1行につき1単語を記載していただけます。単語に続いて、「#」ではじまる特殊記号(後述)を記載し、その後ろに自由にコメントを記載いただけます。

コメント付きの単語の登録例:

危険 #x PL法の絡みで裁判などで問題になり得るため使わない(特にA社出願の場合) 
など #「など」は意味するところが不明瞭なため利用不可。具体例を列挙すること

コメント付きの単語の登録方法

辞書ファイルに単語登録の際、単語の後に、 #, #c, #!, #x のあとコメントを入力してください。辞書に登録されたコメントは、FUGOの画面左側(上部)に表示されます。

なお、#, #c, #!, #x はそれぞれ、以下のマーク付きで画面に表示されます。

特殊記号 使い分け例
#だけの場合 ※参考情報を示します。
#c の場合 ※修正が必要な可能性がある事項を示します。実際に修正が必要かはケースバイケースのため、内容の確認を推奨いたします。
#! の場合 ※高い確率で、修正が必要な事項を示します。
#x の場合 ※確実に、修正が必要な事項を示します。

この機能のポイント、利用例:

この機能を用いることで、FUGOのチェック結果に辞書に登録された単語とともにその理由や修正の方針を表示できます。明細書作成における細かなローカルルールや、クライアントごとに異なるルールなどを辞書に混在した状態であっても、コメントを参照することで修正の要否をすばやく判断できます。

本機能とともに、チーム間で共通の辞書ファイルを用いるように設定することで、明細書の起案に関するノウハウを効率的にチーム間で伝達できます。

チェック記録の生成機能 (β)

Premium版のみ有効

本機能はβ版 (試験実装版)となります。今後、予告なく仕様が変更される可能性があります。将来的にEnterprise版専用オプションとなる予定です。

WordファイルをFUGOでチェックしたことを示すファイル(便宜上、「チェック記録」と呼称)を生成する機能を実装しました。

利用方法:

この機能は、「ワークフローガイド」から呼び出すことができます。事前に、FUGO.rewriteからチェックを実行している必要があります。

実行すると、Wordファイルと同じ場所(フォルダ)に、チェック記録が生成されます。

別途、簡単なマクロやプログラムをご用意いただくことで、Wordファイルとチェック記録との整合性(そのWordファイルがFUGOでチェックされたか)を検証できます。

チェック記録の仕様 (β)

本仕様はβ版 (試験実装版)となります。今後、予告なく仕様が変更される可能性があります。本機能の運用をお考えの場合、1度お問い合わせください。

チェック記録(具体的には、.checked というファイル)には、FUGOでのチェック実行時の各種情報がJSON形式で記録されます。

キー
pc_name チェックを実行したPC名
path チェックを実行した時点でのWordファイルの絶対パス
hash チェックを実行した時点でのWordファイルのSHA512アルゴリズムを用いて計算したハッシュ値
timestamp チェックを実行した時刻

.checkedファイルに記録された情報とWordファイルとの整合性(実際に当該WordファイルがFUGOでチェックされたか)を、別途、簡単なマクロやプログラムをご用意いただくことで検証できます。具体的には、Wordファイルのハッシュ値(SHA512利用)を計算し、.checkedファイルのhashの値と、一致するかを確認してください。

この機能のポイント:

チェック記録には、「Wordファイルに対してFUGOのチェックをかけたこと」が記録されます。Wordファイルとそのチェック記録とを照合することで、当該WordファイルをFUGOでチェック済みであることを担保できます。

これにより、次のようなケースを防ぐことができます。

  • 例えば、出願直前に原稿に修正が入ったような場合。1度FUGOでチェックしたが、その後、Wordファイルに変更が加えられており、FUGOでの再チェックがされていないケース  (Wordファイルの中身が書き換えられるとハッシュ値が一致しない場合)

  • 例えば、FUGOの利用が浸透していない場合。FUGOでまったくチェックされていないケース (チェック記録がない場合)

※ただし、現在の仕様上、実際にチェック結果を目視で確認したかまでは分かりません。少なくとも、そのWordファイルに対してFUGOを実行したことは担保されます。

運用例:

(手動で行う場合) 明細書の起案者には、チェック記録ファイルと明細書を提出することを義務付けることで、例えば、事務担当者が出願手続きをする前に、事務側で『出願するWordファイルの原稿がFUGOでチェック済みか』を確認できるようになります。

(自動化する場合) チェック機能をシステムに組み込むことで、次の作業(例えば、原稿作成→出願手続き)に移る前に、自動的にFUGOでチェックされたことを担保できます。例えば、特定の共有フォルダに原稿とチェック記録を保存すると、FUGOでチェック済みであることを確認できた場合には、事務側に出願書類の準備ができた旨を通知し、確認できなかった場合には、チェックがされていない旨を起案者に通知するなど。

クレームにおけるプリアンブル部のチェック機能

日本語明細書において、クレームにおけるプリアンブル部が矛盾していないかをチェックする機能を追加しました。

利用方法:

プリアンブル部の記載が矛盾している場合、従属関係一覧表に赤色でハイライト表示されます。

改善

段落番号、請求項番号に加えて、【数】【化】【表】の番号のチェックを行えるように

特許明細書中の【数】【化】【表】が先頭から出現順に連番になっているかをチェックできるようになりました。

日本語の段落番号チェックにおいて、3~6桁の記載に対応

段落番号が先頭から順に連番になっているかチェックする際に、從來は、4桁の表記のみをチェック対象としていましたが、イレギュラーな段落番号の記載に対応しました。

誤記、表記のゆらぎの自動チェック結果の詳細なエラーメッセージを追加

プログラムが自動検知した誤記や表記のゆらぎに関して、「なぜエラーとして検知したか」「どういった修正が考えられるか」などのメッセージを表示するようにしました。チェックの際、修正の要・不要を判断するにあたり目安としてご利用いただけます。

カッコの対応関係のチェック結果を見やすく

括弧の記号ごとに、対応関係がとれていないものを1つの項目として表示するようにしました。

從來、各種括弧の対応関係をチェックした結果を1つの項目としてリストに表示していましたが、複数の括弧を1段落中に用いている場合、『どの括弧の対応関係がとれていないのか』が分かりづらいという問題に対する改善となります。

「★を符号の名称に一括置換」機能を強化

Premium版のみ有効

符号に対応する符号の名称の記載が見当たらない場合でも、類似する符号が存在する場合、符号の名称の候補を補完するようにいたしました。より詳しくは、例えば、「1」と「1a」のように数値部分が一致類する符号を「類似している」とみなします。

具体的には、例えば、明細書中に「ネジ1」、「★1」、「★1a」の記載があって、1aの符号の名称の記載がない場合、「★1a」の符号の名称は類似する「1」の符号の名称である「ネジ」であるみなします。

符号表の右クリックメニューを強化(辞書登録をより簡単に)

符号の検出精度を改善するための辞書「符号の名称とみなす単語の辞書」や「符号の名称とみなさない単語の辞書」に単語を登録する作業が、より手軽で簡単になりました。

利用方法:

符号表で各項目を選択した状態で、右クリックすると、メニューに辞書に当該単語を登録するコマンドが表示されます。

この機能のポイント:

辞書登録後、即座に再チェックが実行されるため、辞書登録による符号の検出結果の変化を確認できます。

ひらがなを含む符号の名称の検出精度改善

ひらがなを含む符号の名称の検出精度を改善しました。

先行詞(前記)チェック精度の大幅改善

チェック精度を改善するとともに、重複して表示されていたチェック結果を省略し、見るべき箇所だけを素早く確認できるように改善しました
チェック精度を改善するとともに、重複して表示されていたチェック結果を省略し、見るべき箇所だけを素早く確認できるように改善しました

「前記」の記載忘れにより、クレーム中で前記がまったく記載されていない要件を検出できる仕様を保ちつつ、「前記」を記載する必要のない要件が多々検出されてしまう問題を解消しました。

また、この改良と合わせて、クレームの従属関係が異なるために表示されていたチェック結果のうち、チェックする必要のない項目を省略しました。

今回の改良では、従来以上の誤記の検出精度を保ちながら、チェックの不要な項目(FUGOによる誤検知)のみを排除いたしております。これにより、高い確率で記載不備の可能性がある箇所(チェックすべき箇所)のみを素早く確認できます。

この機能のポイント:

クレーム中で前記がまったく記載されていない要件(「前記が1度も付されていない単語」)ついては、誤検知が含まれる可能性が比較的高いため、色は付きません。

※ FUGOのチェック結果において『色がつかない項目』は、確認する必要は必ずしもないことを示しています。

色のついていない項目については、明細書の作成段階では確認せず、客先への送付前や出願前など、念入りにチェックをしたい場合にご確認いただければと思います。

クレームにおける発明の名称箇所の抽出精度の改善

クレームにおける発明の名称箇所の抽出精度の改善
クレームにおける発明の名称箇所の抽出精度の改善

日本語明細書において、クレーム末尾に記載された発明の名称に該当する箇所の検出精度を改善しました。発明の名称にひらがなを含む場合でも精度よく抽出できるようになりました。

不具合の修正

各種誤記の自動チェック機能の不具合修正

1段落中に複数のチェック対象の文がある場合、結果画面に同一の段落が重複して表示されていた不具合を修正しました。

要約書のチェック機能の不具合修正

要約書のチェック項目をクリックしてもFUGO左画面に該当箇所が表示されない不具合を修正しました。

その他
  • クレームにない単語が、サポート要件で上がってくる不具合への対策追加
  • 英文明細書のチェック時にエラーが発生する不具合の修正
  • 日本語明細書で数式を含むクレームのチェック時にエラーが発生する不具合の修正

仕様の変更

チェック結果を含む段落の一覧表示を廃止

從來、画面左側上部に表示していた、チェック結果を含む段落一覧の表示機能を廃止しました。チェック結果を含む段落の表示部をその分広くいたしました。

「ライセンスの解除」コマンドの表示仕様の改善

從來、「ライセンスの解除」コマンドの必要性がないFree版やCE版では、メニューから非表示としておりました。今回、Free版やCE版では、当該コマンドは無効とする(クリックできない)仕様に改めました。

チェック結果表示画面の配色調整

チェック結果表示画面の配色調整
チェック結果表示画面の配色調整

隅付き括弧の記載箇所を、薄い灰色から濃い緑色に変更しました。本文の区切り位置ががひと目で区別できるとともに、本文の記載をチェックする際に目立たないような配色としています。

その他
  • Free版でチェック実行時、開始前に確認ダイアログを表示するように

FUGO.rewrite のバージョンアップ内容

新たな機能

上付き文字、下付き文字、削除線の判別機能

上付き文字や、下付き文字をFUGO上で判別できるようになりました。

また、削除線の引かれた箇所をコメントとみなす(チェック対象から除外する;記載されていないとみなす)機能を追加しています。

VBAマクロをチェック前後で実行する機能

FUGOの実行前後(より厳密には、FUGO.rewriteからFUGOを呼び出す前と、後)で、任意のWordマクロ(VBAコード)を実行できるようになりました。

FUGO.seisyo β バージョンアップ内容

既存機能の改良

設定画面の表示を調整
「特許明細書のひな形を作成」ボタンの挙動改善

「特許明細書のひな形を作成」ボタンをクリックすると、特許明細書のひな形のテキストを含むWordファイルが新規作成される(画面に表示される)ようにしました。

また、今回から、FUGO.seisyoの説明書をFUGOのマニュアルの一部に取り込みました。下記URLにてご確認いただけます。

rc-ipworks.com

不具合の修正

解決手段のテンプレート文章内の全角空白が無視される不具合の修正

仕様の変更

設定ファイルの保存場所を変更 [!!重要]

設定ファイルの保存場所を変更いたしました。

本バージョンアップにより設定が初期化されます。お手数おかけいたしますが、設定の見直しをお願いいたします。

ダウンロード

自動的に配信されます。

手動でアップデートする場合、下記FUGO ダウンロードページよりお願い致します。

rc-ipworks.com

FUGO.rewriteは、下記よりダウンロードをお願い致します。(通常、自動的にアップデートされます)

rc-ipworks.com